Shinagawa Dental &
Orthodontic Clinic of Ueno

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歯科医師に向けてアイコンのハンズオンセミナーを開催しました

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

6/23日曜日に、歯科医師に向けてホワイトスポット治療(Icon/アイコンを用いた低粘性レジン浸潤法・深部レジン浸潤法)のハンズオンセミナーを行いました。

ハンズオンセミナーとは、実際に手を動かして治療法の練習をするセミナーです。

本セミナーは過去数回行っておりますが、ホワイトスポット治療にご興味がある先生が非常に多く、今回も募集から間も無く満席になりました。

毎回ご質問をたくさん頂くため、誤った情報をお伝えしないように私自身も勉強してアップデートするよう努めています。

いつもこのような貴重な機会を頂き、株式会社ヨシダとアイコンの製造元であるドイツDMG社に感謝いたします。

受講していただいた先生方には、このセミナーで得た知識と技術を元にホワイトスポットで困っている患者様をぜひ助けていただきたいと願っています。

全ての先生方が熱心に実習を行っていました

マイクロスコープの映像を共有し、アイコンの使用法を指導しました

一緒に実習を指導した指宿先生

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アイコン治療の日本代表として、アジアの歯科医師達と研修を受けてきました

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

大変名誉なことにアイコン(Icon)治療(低粘性レジン浸潤法)における日本のKOL(Key Opinion Leader)に大学院同期の指宿隆秀先生と共に選ばれ、アイコンの販売元であるDMG社より招待を受けてアイコンの研修に参加してきました。

DMG APEC Rising KOL meeting in Bangkokというタイトルで、タイのバンコクにおいて2/3-2/4に開催され、日本からは我々2名、その他タイ、韓国、ベトナム、マレーシア、フィリピンから各国のKOLである歯科医師達が招待されました。招待された歯科医師のみが参加することができ、一般には募集をされていません。

この研修ではStyle Italianoという世界的に著名なスタディグループ(歯科医師の勉強会)の講師であり、イギリスのロンドンでご開業されているDr. Ahmed Tadfiからアイコンのレクチャー、コンポジットレジン充填(ダイレクトボンディング)のハンズオンセミナー(実際に治療器具を使って手技を練習するセミナー)を受けてきました。

また、参加した歯科医師も症例発表を行い、私も日本における応用症例を発表し、アジアの歯科医師達と情報交換を図ることができました。

この経験を活かしてアイコン治療にさらに習熟し、日本で歯のホワイトスポット(白斑、白濁)に困っていらっしゃる患者様に還元していきたいと考えております。

患者様におかれましては当該期間を臨時休診とさせていただき、ご迷惑をおかけしてしまい誠に申し訳ございませんでした。

 

アイコン治療とは、歯のホワイトスポット(白斑、白濁)を大きく削らずに治すことが出来る治療法です。

アイコン(Icon)とは製品名であり、ドイツのハンブルクに本社があるDMG社が製造し、日本では株式会社ヨシダより販売されております。

アイコン治療とは患者様に分かりやすいように用いられている俗称で、本来はresin infiltration techniqueという治療法です。これを私が2020年に講演にて「低粘性レジン浸潤法」という日本語名に翻訳して発表し、その後日本歯科審美学会で発表し、現在日本語訳として定着しました。

さらに応用法としてdeep resin infiltraion techniqueというものがあり、こちらも昨年の日本歯科審美学会の発表で「深部レジン浸潤法」として翻訳し、発表しました。

当院ではDMG社より日本のKOLに認定され、株式会社ヨシダのセミナー講師を務める院長が直接ホワイトスポットの相談、治療、経過観察を行っています。

歯のホワイトスポット(白斑、白濁)でお困りの患者様は、ぜひ一度ご相談ください。

 

ホワイトスポット・アイコン治療に関してはこちらのページにさらに情報がございます。

ご予約・ご相談はこちらのフォームより承っております。

 

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国内最大級のデンタルショーで講演を行わせていただきました

国内最大級のデンタルショー、「ワールドデンタルショー」で講演を行わせていただきました。

デンタルショーとは歯科関係者向けのイベントで、歯科材料や機材の展示会です。展示だけでなく、材料や機材に関する講演も行われます。

今回講演を行った第9回ワールドデンタルショーは9/29-10/1の3日間にかけてパシフィコ横浜で開催され、合計で5万名以上の歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科学生、商工業社の方々が参加されたとのことです。

写真はホワイトスポット治療の材料、アイコンの国内販売元のヨシダ社での講演の様子です。

アイコンとホームホワイトニングを組み合わせて、イエロー/ブラウンスポットを削らずに治す方法について講演を行いました。

また、今回はアイコンの製造元であるドイツ・ハンブルクにあるDMG社からアジアの担当者が来日され、アイコンについて情報交換を行うことも出来ました。

他にもワールドデンタルショーで別のテーマで複数回講演を行わせていただきましたので、またご報告いたします。

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【虫歯と矯正ブログ】再び虫歯菌に感染するのを防ぐための根管治療

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

先日、NHK Eテレの「チョイス@病気になったとき」という番組内で、根管治療について紹介されていました。その解説をされていたのは、私の大学院時代の大先輩である保坂啓一先生でした。

虫歯で歯が溶けてしまった場合、初期であればコンポジットレジンを詰める治療(ダイレクトボンディング)で治すことができます。

この際にラバーダム防湿という手法を使い、唾液などが入らない環境でしっかりと歯に接着させることができれば歯と一体化して、機能も見た目も天然の歯と区別がつかないぐらいの治療を行うことができます。

しかし、虫歯が進行してしまい、歯の神経に感染してしまうと歯の神経に対する処置が必要となります。

現在の根管治療では歯科用CTで診断を行い、ラバーダムをした状態で感染を防ぎながらマイクロスコープで直接細い根管内をよく観察し、電気的根管長測定器を使用して正確に根管の長さを測定して治療していきます。

これまで根管治療を何度も行っていたのになかなか治らなかった患者様が、このような手順をしっかりと踏んで治療を行うと治ることを何度も経験したことがあります。

より良い根管治療のために、このような機材はもちろん重要ですが、それだけでなくそれを活かす知識と技術が必要です。

そのため、私は歯科保存学会、歯内療法学会、顕微鏡歯学会に所属し、研鑽を積んでおり、また手技を学ぶセミナーにも出席しております。

9/14午後から9/15にかけて、マイクロエンド(マイクロスコープを使用した根管治療)、endodontic microsurgery(マイクロスコープを使用した外科的歯内療法)の講習会に参加してきました。

根管治療はマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の発展により大きく変わりました。

以前は根管の中は見えないもので、指先の感覚を頼りに治療をする、盲目的な治療が行われていました。

私が歯学部の学生だった時代も、歯内療法(根管治療、根の治療)科の実習では指導の先生に「指先にもう一つ目があるように、指先の感覚でやれ」「エンドダコが出来たら一人前(根管治療のことをエンドとも呼び、指先でファイルという器具を操作することで出来たタコをエンドダコと呼んだりします)」と言われたことを覚えております。

しかしマイクロスコープの出現により、根管治療は根管を直接見て行うことができる治療になりました。

これにより、今までは見つけられなかった根管を見つけることができるようになったり、誤った所を削ってしまう穿孔(パーフォレーション)を起こしにくくなり、また起こしたとしても適切に封鎖することができるようになりました(穿孔封鎖の成功率が飛躍的に上昇したのは、MTAセメントという材料の出現がもう一つ大きな要因です)。

さらにマイクロスコープの出現により、以前は成功率が低いと言われていた歯根端切除術及び逆根管充填という外科的歯内療法の成功率が飛躍的に上昇し、endodontic microsurgeryという新しい術式に生まれ変わりました。

これは通常の根管治療で治らなかった歯や、何らかの理由で通常の根管治療を行えない歯に対して、根の尖端を外科的に切除して尖端から薬を詰める方法です。

被せ物の適合自体は問題ない場合などにも適応され、その場合は被せ物を壊さずに治療ができます。

endodontic microsurgeryの治療成績は文献にもよりますが成功率は90%を超えています。

現代の根管治療は、マイクロスコープを使用した通常の根管治療と外科的歯内療法の二本立てで構成されています。

外科治療まで含めれば、根の病気だけで抜歯になることは極めて稀だと言われています。

クリニックにもよりますが、このような設備や技術を用いた治療は自由診療になることが多いです。

治療にそれだけの価値を見出すかは患者様次第ですが、もし根管治療でお悩みの場合には、一度、当院など根管治療を専門的に行っているクリニックでご相談されることをお勧めいたします。

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【虫歯と矯正ブログ】ホワイトスポット(歯の白濁、白斑)を削らないで治すicon(アイコン)治療

【虫歯と矯正ブログ】ホワイトスポット(歯の白濁、白斑)を削らないで治すicon(アイコン)治療

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

前歯の表面に目立つ白斑(ホワイトスポット)があってお悩みの方はいらっしゃいませんか?

子供の頃に出来てそのままになったり、矯正歯科治療を受けたご経験のある方に、このホワイトスポットは出来ることがあります。

歯科医院でも削る必要はないからそのままで良いと言われたり、逆に削って治さないといけないと言われたりした方もいらっしゃるかも知れません。

 

このホワイトスポット、またその原因は一体何なのでしょう。

 

実は、これは初期の虫歯の進行が停止したものなのです。(歯が作られる時期にフッ化物を摂取しすぎると発症する、歯のフッ素症でも似たような見た目になります。しかし、水道水や飲食物(ガムを除く)にフッ化物が添加されていない日本では、故意にフッ化物配合歯磨剤や洗口液を8歳まで毎日大量に飲んだりしない限り発症は考えられません。(1))

 

専門用語では「表層下脱灰」と呼ばれる現象で、表面のエナメル質は残っているにも関わらず内面のエナメル質が溶けて構造が変化し、エナメル質本来の透明感が失われて白濁すると言われています。

 

虫歯の進行としては停止しているので、治療としては削る必要は全くありません。

しかし、これが目立つ前歯に出来てしまった場合に、見た目を治すには従来はホワイトスポットを削ってダイレクトボンディング(コンポジットレジン修復)を行ったり、エナメル質を一層削ってラミネートベニア修復を行わなければいけませんでした。

ホワイトニングで治せるのでは?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実はホワイトスポットにホワイトニングは逆効果です。

むしろ白濁が目立つようになります。元々はホワイトスポットが気になっていなかったのに、ホワイトニングをすると浮き上がるように目立ってきて気になるようになってしまうこともあります。

 

現在、resin infiltrationという、レジン(樹脂)を浸透させる手法で、このホワイトスポットを全く削らずに、見た目を治すことができるようになりました。見た目だけでなく、削らずにレジンを浸透させる治療は虫歯の進行を止めるのに有効であることも様々な研究でわかっています。(2)

このresin infiltrationという治療に用いるのがicon(アイコン、ドイツDMG社の製品)(3)という低粘度のレジンです。現在、市販されているresin infiltrationの製品はこれだけなので、実質この治療をアイコン治療ということもあります。

 

表層下脱灰で溶けてしまったエナメル質に浸透し、光の屈折率が周囲と近くなるためホワイトスポットを目立たなくすることができます。

 

写真はホワイトスポットをこのアイコンで治療した前後の写真です。患者様の同意を得て掲載しております。下が術前、上が術後3ヶ月後です。上の前歯二本を治療しており、1歯3万円と消費税ですので治療費総額は6万円と消費税です。拡大していますので白濁が完全に消えたわけではありませんが、歯の周囲の色と馴染んで目立たなくなっているのがわかると思います。

 

アイコンを使った治療では完全にはホワイトスポットが消えるわけではないので、白斑部を完全に消したかったり、徹底的に綺麗に治したいのであればラミネートベニア修復を選択した方が良いでしょう。アイコンはレジン(樹脂)の材料なので、経年的に着色する可能性もあります。しかし、人工材料は一生は持たないので、歯を一度削ってしまうと、次にもし虫歯などで再治療が必要になった場合、さらに歯を削ることになってしまいます。そのようなサイクルに入らないために、如何に最初に歯を削る時期を遅らせるかが現代の虫歯治療では重要になっています。

その中で、ホワイトスポットの見た目が気になっている方へのアイコンを用いた治療は、歯を全く削らずに治すことが出来るため、非常に有用であると考えています。

 

参考文献

1, う蝕予防のための日本人におけるフッ化物摂取基準(案)の作成 フッ化物応用委員会
http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/file/press/2008-58-5.pdf

2, う蝕治療ガイドライン第二版 日本歯科保存学会
http://www.hozon.or.jp/member/publication/guideline/file/guideline_2015.pdf

3, Icon – Caries Infiltrant smooth surface
https://www.dmg-dental.com/en/products/product/icon-caries-infiltrant-smooth-surface/

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【虫歯と矯正ブログ】虫歯予防に効果的なフッ化物の使い方

【虫歯と矯正ブログ】虫歯予防に効果的なフッ化物の使い方

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

 

前回の【虫歯と矯正ブログ】で歯磨きだけではむし歯は防げないこと、5月11日にはむし歯リスクの判定法をお話ししました。

今回は、むし歯予防に効果的なフッ化物の使い方をお話しします。

 

今現在、むし歯の予防に効果がある、というしっかりとした根拠があるのはフッ化物だけです。(1)

このことから、アメリカやヨーロッパでは、フッ化物は様々な飲食物に直接配合されています。

 

水道水や、食塩、牛乳に添加されている国もあります。(2)

 

日本では、残念ながら薬事法の関係でこのように食品や水道に有効な量のフッ化物を添加できません。

 

それでは、日本でフッ化物を予防に使うにはどうしたら良いでしょうか。

 

それは歯磨き粉です。

 

日本で一般的に使用されている歯磨き粉は、基本的にフッ化物が配合されています。

 

そして2017年3月に、厚生労働省により、歯磨き粉に配合できるフッ化物の上限量が、1500ppmという量まで引き上げられました。(3)

 

これは、欧米でも6歳以上の全ての人に、むし歯予防に有効なフッ化物の量として推奨されている量です。(4)

 

この1500ppmのフッ化物の入った歯磨き粉で、1日2回以上の歯磨きをするのが、現在のグローバルスタンダードです。(6歳以上、歯磨き粉の量は1~2センチ)

 

お子さんの場合は、6ヶ月~2歳未満は500ppm(または1000ppm(5))、2歳~6歳未満は1000ppm、それぞれ歯磨き粉の量は豆粒大が推奨されています。

 

写真は私達の子供ですが、生後6ヶ月からフッ化物配合歯磨剤を使用し、歯ブラシも大好きで自分で持って磨いています。今の所虫歯の徴候は見られません。ただ、乳歯の段階で下の歯のガタガタ(叢生)があるため、矯正歯科治療が必要な可能性が高いです。当院でも扱っているLION社チェックアップスタンダードで私達親は歯磨きをし、子供はチェックアップkodomoで歯磨きしています。

 

他のフッ素の使い方であるフッ化物入りの洗口剤を使ったうがいや、キシリトール入りのガムを噛んだりすることは、以上のようなフッ化物入り歯磨き粉を使用しながら、追加で行うべきものです。あくまでも主役は歯磨き粉なのです。

 

このようにフッ化物の使用は重要なのですが、近年インターネットを中心に、フッ化物の毒性を強調する記事が出回っています。

 

しかし、フッ化物の毒性は、大量に飲み込まなければ発生せず、上記のような微量で、しかも飲みこまないのであれば全く問題ありません。

 

また、急性でない、歯のフッ素症などの合併症は、水道水にフッ化物が添加されている地域の場合がほとんどです。

 

勿論、上記のような正しいフッ化物の使い方をしても、虫歯になる可能性は0%ではなく、もし新たにむし歯になってしまう場合は、むし歯リスクが高い可能性があります。

 

そのような場合は、一度かかりつけの歯科医院に相談してみてください。

 

 

 

参考文献

(1)

https://www.fdiworlddental.org/sites/default/files/media/documents/2__ps_revision_mid_en_gab.pdf

 

(2)

http://www.hamigaki.gr.jp/hamigaki1/fusso03.html

 

(3)

http://www.kokuhoken.or.jp/jsdh/file/statement/201803_fluoride.pdf

 

(4)

https://www.eapd.eu/uploads/82C0BD03_file.pdf

 

(5)

https://www.fdiworlddental.org/sites/default/files/media/resources/2017-fdi_cpp-chairside_guide-jp.pdf

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【虫歯と矯正ブログ】虫歯のリスクを知る方法

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川です。

 

以前のブログで、歯磨きで歯の汚れを取ることが虫歯予防に必ずしも繋がらないことをお話ししました。

 

虫歯になるかならないかは、歯磨きの上手さよりも他の要因による影響が大きいのです。

 

いわゆる虫歯菌の量や、歯の形や、虫歯予防に効果があるフッ素の使用量などによって変わってきます。

 

これらを複合した、「あなたの虫歯になりやすさ」を、検査をせずとも最もシンプルに知る方法が実はあります。

 

それは「今まで虫歯になった歯の数」です。

 

拍子抜けするような指標ですが、過去の虫歯の数と、これから虫歯になる確率には60%程度相関があると言われており、これは虫歯を予測する因子の中で最も有効な指標とされています。(特に若い人、または歯の根元が露出した人に対して。(1))

 

単純に、今まで虫歯になったことが無い人は今後も虫歯になる可能性は低いです。

 

すでに、たくさん虫歯になった経験があり、たくさん治療をしたことがある方は、残念ながら虫歯のリスクが高い可能性があります。

 

また、近年の虫歯の研究では、虫歯の活動性というものが注目されています。(2)

 

これは評価の仕方がまだしっかりとは確立されていませんが、この活動性が高い場合は積極的に治療をし、また虫歯の予防策が講じられるべきとされます。

 

特に、直近の1~3年に新たな虫歯が出来てしまった場合、虫歯の現在の活動性が高いと判断されます。(3)

 

反対に活動性が低い場合は、積極的な治療よりも経過観察が優先されることもあります。

 

上記のような虫歯のリスクが低い方は一安心ですが、リスクが高い方はどうすれば良いのでしょう。

 

ここに大きく関わってくるのが、いわゆるフッ化物(フッ素)です。

 

フッ化物を有効に用いれば、虫歯を予防できる可能性が高くなります。

 

次回は、虫歯予防のためのフッ化物の使い方をお話しします。

 

 

参考文献

(1)Yip K, Smales R: Oral diagnosis and treatment planning: part 2. Dental caries and assessment of risk. Br Dent J. 2012

(2)FDI: FDI policy statement (revision) Minimal Intervention Dentistry (MID) for Managing Dental Caries. 2016

(3)Featherstone JD, Singh S, Curtis DA. Caries risk assessment and management for the prosthodontic patient. J Prosthodont. 2011

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【虫歯と矯正ブログ】矯正後の、綺麗な歯並びのシミュレーションをしてみませんか?

【虫歯と矯正ブログ】矯正後の、綺麗な歯並びのシミュレーションをしてみませんか?

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

 

当院では口腔内スキャナー(iTero(アイテロ) Element)を使用した、マウスピース型矯正装置 (インビザライン、インビザライン GO)の歯並びシミュレーションを行なっております。

 

この二つのマウスピース矯正を行った場合、どのように歯並びが治るかを、その場でシミュレーションしてお見せすることが出来ます。(簡易検査のため、最終的な結果と異なる場合があります。)

 

矯正のカウンセリングと合わせて無料で行なっております。

 

マウスピース型矯正装置とは、アライナーとも呼ばれる透明のマウスピースで、これを1週間~2週間程度の間隔で交換していき、歯を動かしていくことが出来ます。

 

装置をつけていても見た目が目立たないこと、食事の際に取り外すことができるので矯正歯科治療中でも食事や歯磨きがしやすいことが大きな特徴です。

 

当院で採用しているマウスピース型矯正装置は二種類あります。

 

どちらもアメリカのアライン・テクノロジー社のシステムです。同社は、1999年から「インビザライン・システム」の提供をアメリカの矯正歯科医を対象に開始し、現在では世界100カ国以上、これまでに520万人を超える患者様が治療を受けられているそうです。(2018年1月現在)

 

この、現在世界で最も普及しているマウスピース型矯正装置の一つであるインビザラインと、その簡易版であるインビザライン GOを採用しています。

 

インビザラインは、奥歯まで含めて全体を動かすことが出来ます。

 

よく、マウスピース型矯正装置は抜歯をする矯正には向かない、限界がある、などと言われることがあります。

 

インビザラインは、理論上、歯を抜いた後の大きなスペースへも歯の移動を行うことができます。

 

マウスピース型矯正装置は、「装置の一つ」なので、必要に応じて他の装置と組み合わせることでより良い結果を出すこともできます。

 

このように、インビザラインは使い方次第で様々な症例に適用することができますが、それには矯正科医の正確な診断が必要です。

 

インビザラインは、インビザライン・ドクターというものを取得すれば使用することができます。

 

これは、大学病院などで矯正歯科治療のトレーニングを受けていることとは必ずしも一致しません。

 

インビザラインでの矯正歯科治療をご検討中の方は、ご担当される矯正歯科医の経歴などをご参考にされると良いでしょう。

 

当院でインビザラインを行う場合は、大学病院で矯正歯科治療のトレーニングを受け、現在も大学病院で助教として学生や、矯正歯科の新人ドクターに指導を行なっている、妻の副院長が担当します。

 

もう一つのインビザライン GOは、動かせる距離などに制限がありますが、インビザラインと比べてコストが安く、また短期間で治療を終えることが出来ます(総額265,000円(税別)~、平均治療期間3~6ヶ月)。当院でも、特に前歯だけを治したい、期間や料金を抑えたい、という患者様によく選ばれています。

 

インビザライン GOは私が担当しています。インビザライン GOで対応出来ない場合、院内ですぐにインビザラインの診断が行えることが当院の強みの一つです。

 

歯並びでお悩みの方は、まずシミュレーションをお受けいただき、どのような矯正歯科治療でどこまで治すことができるか、ご相談いただくことをお勧めいたします。

 

 

上野品川歯科・矯正歯科

品川淳一

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日本歯科保存学会に参加しました

日本歯科保存学会に参加しました

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

 

先週、金沢で開催された、日本歯科保存学会春季学術大会に参加してきました。

日本歯科保存学会は日本で最も歴史ある学会の一つで、今回で150回目を迎えました。

虫歯治療、根管治療(歯の根の治療)、歯周病治療に関する学会です。

私は現在この学会の認定医で、これを維持するためには定期的に学会に参加したり発表しなければなりません。

 

歯学の学会は非常に多いため、歯科医師が色々と標榜していても、一般の方々にとってはどの学会がどのような位置付けなのかかなりわかりづらいと思います。

 

日本の歯科の学会は、日本歯科医学会という組織が上部に存在します。

 

その下に、専門分科会・認定分科会として様々な学会が所属しています。

 

私は現在、専門分科会の日本歯科保存学会の認定医で、他に日本接着歯学会に所属しています。その他、認定分科会の日本歯内療法学会、また日本歯科医学会の傘下ではない日本顕微鏡歯学会に所属しています。

 

矯正担当医である妻は、専門分科会である日本矯正歯科学会、認定分科会である日本顎変形症学会、その他に東京矯正歯科学会、日本口蓋裂学会に所属しています。

日本矯正歯科学会も保存学会と同じ時期(1960年)に日本歯科医学会に入った歴史ある学会です。

 

学会の位置付けとして、専門分科会・認定分科会であるかどうかは一つの判断基準とできるかと思います。

 

さて、保存学会ですが、現在私の出身講座である東京医科歯科大学う蝕制御学分野の田上順次教授が理事長となっています。今大会でもシンポジウムの座長、また演者として登壇されていました。また、今回は第150回という区切りで様々な新しい試みがなされました。その一つとして、専門医・認定医優秀症例発表というものが初めて行われました。今までは、保存学会の発表は研究発表が主でしたが、これは一つの症例を通じて発表するというものです。私の出身講座の先輩の先生が優秀賞に選出されました。

 

また、大学時代の同級生や同世代の知り合いの先生も多数発表しており、非常に刺激を受けました。

 

このような学会で発表することは、普段行なっている治療でも改めて過去の文献や最新の知見を勉強し直すため、非常に勉強になります。

私も次回はぜひ発表を行おうと考えております。

 

当院で治療を行う際は、このような学会などで資料を使用させていただいて良いか、必ず文書で確認いたします。無断で使用することは決してありません。

 

もし、使用をご了承いただけない場合でも、患者様ご本人へのご説明や、治療経過の観察のために、写真などの資料は保管し、治療のステップ・内容などが変わることはありませんのでご安心ください。

 

学会参加だけが全てではありませんが、日本で歯科医療に携わる以上、自分の専門分野に関しては日本の学会で最新のトレンドを知っておくことが義務だと思います。

 

今回学んだ事もさらに日々の治療に活かして、より良い歯科医療を患者様にご提供していきます。

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【虫歯と矯正ブログ】歯磨きをしていれば虫歯にならない?

上野品川歯科・矯正歯科院長の品川淳一です。

 

当院の特色である虫歯予防・治療と矯正歯科治療について、まだまだ世間に間違った知識や、常識が広まってしまっているので、これから色々な情報を発信していきたいと思います。

 

6/4〜6/10は歯と口の健康週間でした。6(む)と4(し)の語呂合わせで6/4を「虫歯予防デー」としていたことから、この時期に厚生労働省、文部科学省、日本歯科医師会、日本学校歯科医会が実施しています。

 

今回は、歯磨きと虫歯の関係についてお話ししていきます。

 

ほとんどの皆さんは、毎日歯磨きをしていると思います。

 

厚生労働省が5年に一度行っている、歯科疾患実態調査によると、直近の平成28年では95.3%の人が毎日歯を磨いているそうです。

 

では、何のために歯磨きをしているのでしょう?

 

虫歯を防ぐため、と思ってらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

 

昔は歯科医院でも、歯をよく磨かないと虫歯になるよ、なんてことを言われたことがあるかも知れません。

 

しかし、様々な研究によると、歯磨きそのものが虫歯を防ぐ効果はかなり限定的であることがわかっています。(1)

 

虫歯は、虫歯菌、食生活などの環境、唾液や歯の形(質、ではありません)などのご自身の体の状態、そして時間の経過、この4つの要因が重なると発症すると言われています。

 

このうち、歯をどれだけ磨くか、ということは、虫歯の発症の要因のほんの一部にすぎません。

 

近年、スウェーデン(Cariogram、カリオグラム)やアメリカ(CAMBRA、キャンブラ)の虫歯のリスク評価法が日本でも活用され始めています。(2、3)

 

その中にも、歯磨きの状態の評価項目はありますが、影響力は大きくありません。

 

それよりも、唾液の量やフッ化物(フッ素)の使用量などが大きく関わってきます。

 

これには様々な解釈がありますが、すごく乱暴に言ってしまうと

 

「虫歯になりやすい人は歯磨きをどれだけ頑張っても虫歯になる可能性が高い」

 

「虫歯になりにくい人はあまり歯を磨かなくても虫歯になる可能性が低い」

 

ということです。

 

頑張って定期的に歯科医院に通っていて、歯磨きも頑張っているのに、すぐ虫歯になってしまう方、いらっしゃいませんか?

 

その度に、歯磨きが出来ていなかったから。。とご自分を責めたり、歯医者さんや衛生士さんに言われたことはありませんか?

 

今でも、虫歯の治療に歯科医院に行くと、「歯をよく磨かないからこんなに虫歯になるんだ」なんて言われてしまうことがあるようです。

 

そういう方は、歯を磨かなかったからではなく、他に虫歯になりやすい原因がありそうです。

 

当院では、患者様お一人おひとりの虫歯のなりやすさ、リスクの分析を行なっております。

前述のカリオグラム、キャンブラ両方を用いて、必ず院長が直接ご説明します。

それぞれの虫歯のリスクによって、フッ化物の使い方や生活習慣の改善すべき点などを丁寧にご説明いたします。

料金は、検査、ご説明を含めて1万円(税抜)となっております。

 

また、矯正歯科治療中は、必ず虫歯のリスクが上がります。(1、3)

当院では矯正歯科の検査に、虫歯のリスク検査も含んでおります。

虫歯のリスクを管理できないと、せっかく矯正をして歯並びが綺麗になっても、虫歯になってしまうことがあります。

また、予防を徹底しても、虫歯になる確率を0%にすることはできませんから、虫歯になってしまうことはあります。

初期虫歯で白濁しているだけの場合は削らずに、icon(アイコン)という材料を使ったresin infiltration(歯にレジンを浸透させる治療法)、穴が空いてしまった場合もダイレクトボンディング(コンポジットレジン修復)で、綺麗に元の歯と違いがわからないように治すことができます。

 

虫歯と矯正でお困りのことがあれば、ぜひ一度ご相談にいらしてください。

ご予約の際は、24時間対応のweb予約をご利用ください。

矯正歯科については、現在初回のご相談は無料で承っております。

 

 

!注意!

当然ですが「歯を磨かなくてもいい」と言っているわけではありません。

歯磨きが出来ていないと、歯周病に直結します。

 

以下、参考文献、URLを記載します。

歯科医学は世界中で日進月歩で進んでおり、毎日新しい研究がなされ、論文が発表されます。

私が言っていることも、すぐに過去のものになってしまうかも知れませんし、論拠を示すことが何よりも重要です。

書籍でも同様ですが、皆様がご参考にされる場合、著者お一人だけで書かれたものではなく、きちんと参考文献が明記されているものをご参考にされるのをお勧め致します。

 

(1)Yip K, Smales R:  Oral diagnosis and treatment planning: part 2. Dental caries and assessment of risk.  Br Dent J. 2012 Jul 27;213(2):59-66.

 

(2)https://www.mah.se/fakulteter-och-omraden/Odontologiska-fakulteten/Avdelning-och-kansli/Cariologi/Cariogram/

 

(3)Featherstone JD, Domejean-Orliaguet S, Jenson L, Wolff M, Young DA:  Caries risk assessment in practice for age 6 through adult.  J Calif Dent Assoc. 2007 Oct;35(10):703-707, 710-713.

 

 

 

上野品川歯科・矯正歯科

院長

品川淳一

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