ダイレクトボンディング治療について
ダイレクトボンディング治療とは
ダイレクトボンディング治療とは、透明感や色調が天然歯に近い、セラミックの粉と高強度のプラスチックで出来たコンポジットレジンを歯面に直接盛って、形成して硬化させる治療方法です。
虫歯がある場合には歯を削る量が最小限で済み、虫歯が無い歯を審美的に治療する場合には歯を全く削らなくて済みます。また、歯型の採取が不要で、歯に最もよく接着します。
この治療を世界で初めて臨床応用し、1979年に無痛修復(英語タイトルPainless restoration)という著書で世界中に広めたのは東京医科歯科大学の総山孝雄名誉教授です。
当院院長はこの総山先生が主任教授を務められていた東京医科歯科大学う蝕制御学分野に所属し、世界に向けてこの治療法の普及に尽力された田上順次名誉教授の下、この治療法を学びました。
当院の
ダイレクトボンディング治療の特徴
① マイクロスコープ、ラバーダムの使用
① マイクロスコープ、ラバーダムの使用
診断から治療の全ての工程でマイクロスコープを使用します。マイクロスコープで大きく拡大してよく見える状態で治療をすることは、精密治療には欠かせません。歯とコンポジットレジンを接着させるには唾液の浸入を防ぐことが必須です。それだけでなく虫歯を削る段階からラバーダム防湿を行うことで、他の歯を削ってしまったり歯茎や舌を傷つけるリスクを減らし、マイクロスコープでよく見える環境を整えることができます。また虫歯が深くて歯の神経が露出してしまった場合でも、神経に無用な感染を防ぎそのまま歯髄保存などを行うことができます。
② 接着歯学、う蝕学の専門家による治療
② 接着歯学、う蝕学の専門家による治療
当院院長は東京医科歯科大学のう蝕制御学分野という虫歯とその治療の専門科で博士号を取得し、現在非常勤講師を務めています。また日本歯科保存学会の保存分野の認定医を取得しており、虫歯とコンポジットレジンの接着を専門としております。
③ 10年保証
③ 10年保証
コンポジットレジンが欠けたり取れたりした場合は、10年間無償で修理します。(通常の生活の範囲内に限ります。新たに虫歯が出来てしまった場合、歯が欠けてしまった場合、事故など当院の責任の範囲外での破損を除きます)
保険と自費の違い
ダイレクトボンディング(コンポジットレジン修復)においては、実は保険診療と自費診療では使う材料はほとんど同じです。
しかし、保険診療では主に診療報酬の観点から長い時間をかけて精密に治療をしたり、ラバーダム防湿を行なったり、マイクロスコープを使用することが難しい状況です。そのような状態でダイレクトボンディングを行うと早期に取れてしまったり、見かけ上くっついていてもきちんと歯と材料が隙間なく接着していなければ隙間から虫歯になってしまったりします。
本来ダイレクトボンディングは正確な手技で行えば、経年的に端が一部欠けてしまうことはありますがポロッと全て取れてしまうというようなことはあり得ません。見た目に関しても、丁寧に詰めて研磨を行えばセラミックと同等に綺麗に仕上がります。
ダイレクトボンディング治療の
3つのメリット
メリット①
歯を削る量が最も少ない
保険診療の金属や自費診療のセラミックによる、型をとるインレー修復という方法と比較し、歯を削る量が最も少なくて済みます。虫歯になっており残しておくことができない歯質のみを削り、そのまま詰めることができるためです。
メリット②
型取りが不要で即日修復可能
型をとる必要がないため、虫歯を取ってそのまま即日修復することができます(虫歯の大きさによって、2回に分ける場合もあります)。
メリット③
修理が容易
もし形が悪かったり、欠けたりしても一部分だけを追加したり、逆に突出したところを研磨して丸めたりすることが簡単であることが特徴で、修理が容易です。
ダイレクトボンディング治療の
3つのデメリット
デメリット①
欠ける可能性がある
接着技術の進歩により、ポロッと全てが取れることがはほぼありませんが、100%セラミックではなくプラスチックの部分を含みますため、端が欠けることがあります。
デメリット②
経年的に摩耗することがある
プラスチックの部分がありますので、セラミックと違い経年的に摩耗します。
ただし、天然歯も摩耗するため、天然歯と同程度に自然に摩耗することは噛み合わせにとっては自然な変化となり、
メリットとなる場合もあります。
デメリット③
経年的に着色することがある
特に歯と境目の部分には、長期の変化で着色することがあります。
ダイレクトボンディング治療の流れ
① カウンセリング
① カウンセリング
該当する部分またはお口全体の検査・診断を行い、ダイレクトボンディングが適用であるかを診断し、ご説明します。
② 治療開始
② 治療開始
麻酔をして虫歯を取ってダイレクトボンディングで歯の形を回復します。審美目的のダイレクトボンディングの場合は、歯を全く削らずに接着させます。大きな治療は1~2回で終了します。必要に応じて後日最終研磨を行います。
③ 経過観察
③ 経過観察
麻酔が切れている状態での噛み合わせや舌触りを確認します。必要があれば修正を行います。
ダイレクトボンディング治療の
よくある質問
Q. 前歯のすき間をダイレクトボンディング治療で治せますか?
A. 治せます。歯を削らずに一回の治療で治すことができます。
また、ブラックトライアングルという、歯と歯茎の間の三角形のすき間を治すこともできます。
Q. かけた歯をダイレクトボンディング治療で治せますか?
A. 治せます。欠けた部分のみを治すことができます。
Q. ダイレクトボンディングと一緒にホワイトニングもしたいのですが?
A. ホワイトニングを併用する場合、先にホワイトニングを行い、歯の色調を決めてからダイレクトボンディングを行います。
Q. ダイレクトボンディング治療は
どのくらいの時間がかかりますか?
何回通院する必要がありますか?
A. 大きな治療は一回2~3時間で、1~2回で終了します。必要に応じて、最終研磨や経過観察にご来院いただくことがあります。
Q. ダイレクトボンディングで治療した歯を将来セラミックで治すことはできますか?
A. できます。セラミックよりも歯を削る量が少ないため、将来的に問題が起きたとき、セラミックでやり直すことができます。